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セルロースナノファイバーとシグノ307について

 セルロースナノファイバー(CNF)はバイオマス原料をナノメートル単位にまで粉砕して作られる(環境省,2014;大王製紙,2021)。カーボンニュートラル政策に合致する材料であり,注目されている(環境省,2014)。
 CNFは応用範囲が広い。例えば大王製紙(2021)は,CNF水分散液,CNF乾燥体,CNF成形体,高透明度CNF,CNF複合樹脂を提供している。
 本記事ではCNF水分散液に注目する。CNF水分散液はチキソ性,低い曳糸性を示す(大王製紙,2021)。チキソ性に関して,CNF水分散液は,静置状態では高粘度だが,ずらすような力を受け続けると,粘度が下がり液状になる(Figure 1;大王製紙,2021)。また曳糸性について,糸を引く力が弱い(Figure 2;大王製紙,2021)。

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 この性質を生かした製品が,三菱鉛筆のシグノ307である(三菱鉛筆,2021b)。このボールペンに採用されているインクは,CNFを混ぜ込んでいる。通常状態ではインクは漏れ出さない。しかし筆記時に先端のボールが回転することにより,インクが攪拌されると,チキソ性により,インクの粘度が大きく低下する。このためインクが掠れることなく出る。また低い曳糸性によって,筆記時にインク溜まり(Figure 3)ができづらい。

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引用文献

大王製紙(2021).セルロースナノファイバー(CNF) 大王製紙株式会社 Retrieved from https://www.daio-paper.co.jp/development/cnf/(2021年1月31日)
環境省(2014).セルロースナノファイバーの環境政策における位置付け 環境省 Retrieved from http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cnf/Thought_on_CNF_in_environmental_policy.pdf(2021年1月31日)
三菱鉛筆(2021a).ペンの先にインクが溜まる uni MITSUBISHI PENCIL Retrieved from https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_86.html(2021年1月31日)
三菱鉛筆(2021b).ユニボール シグノ307 uni MITSUBISHI PENCIL Retrieved from https://www.mpuni.co.jp/products/ballpoint_pens/gel/signo/307/umn_307.html(2021年1月31日)