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自分にとって2020年で最も役立った概念,あるいは2020年に読んだ本の中で最も面白かったもの

概念:自動処理(automatic processing)と制御処理(control processing)

本:

 

自動処理と制御処理は本の中ではシステム1とシステム2と呼ばれている。自動処理はその名の通り自動的に行われる処理である。この処理は簡単で日常的な行動に適用される。たとえば1+1の答えを求めることは簡単で日常的な行動であるから,自動処理が担当する(もしあなたが数学にうるさい人だったらこの限りではない)。しかしこれが(2837+37291*3788291/721^2)/29381/2/38ともなるともうこれは完全に制御処理の担当領域である。四則演算の順序を間違えないように,計算間違いをしないように注意しなければならない。

人間が自動処理を行うとき,思考を節約することを目的として,ヒューリスティックと呼ばれる解の発見法を用いる。この方法は多くの場合的確で,ごくまれに誤りを犯す。誤った解やそれに基づいた行動を「バイアスがかかっている」と表現する。

思考リソースは人間にとってたいへん貴重なものらしい。人間は可能な限り自動処理で事を済ませようとする。しぶしぶ制御処理を使用した場合,人間は疲労を感じるし,同時に他の処理をすることが難しくなる。

ある特定の行動に対して制御処理を繰り返し実行すると,それは自動処理になっていく。たとえば車の運転はこれにあたる。初めは困難な作業であったものが,だんだんと楽になっていき,助手席に座る人と会話を楽しめるまでになる。

自動処理と制御処理が基盤概念であるからこれを「2020年で最も役立った概念」としたが,実践においては「思考節約」が最も役立った概念かもしれない。別に思考節約自体は新しい概念でも何でもないのだが,自動処理と制御処理という概念を手に入れたことによって,思考リソースの貴重さが身に沁み,思考節約の重要性がより際立った。